
幽界へ
あそびに行きし
帰り道
みやげ落として
浮かびけり


幽界へ
あそびに行きし
帰り道
みやげ落として
浮かびけり

どの星に
願い託すか
決めかねて
七夕の夜
過ぎゆけり

「露天読書」
サウナと水風呂ののち、
露天風呂でのととのい時間に、
外気を浴びながら本を読む習性。
観察メモ
身体がほどけた状態で読む言葉は、
頭だけで読む言葉とは、少し違う。

湯に浸かり
一頁ずつ
戯れる
皮膚と紙の
擦れる音

「振れ幅の化神」
人格・行動・価値観・発言が、
驚異的な振れ幅を持ちながら、
内部では統一された論理を持つ存在。
観察メモ
外部から見ると矛盾に見える現象も、
本人の文脈では一本の論理として、
無矛盾に成立していることがある。

現世の
寫眞一枚
彼岸より
あわいの橋を
そっと渡して

雨粒は
夜更けすぎに
言粒となり
瓶を満たして
朝に帰る

空席の
風が座った
痕跡に
名を思い出し
隣に座る