写真を織り
言葉を綴り
採集した時間の欠片を
並べています
「写真と言葉 アーカイブ
2012–2020
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黒鬼は来なかった

満月、鬼、火
今年は
黒鬼は来なかった
目に見えないところで
何かが整えられた夜 -
導かれて

迷いや慎重さも
無理せず自然体でいることが
今日の奇跡に結びついた
気がする
伏見稲荷をあきらめて
氏神さまの稲荷社へ
そこで偶然
祝詞が響き始めた
感謝を抱きながら
後ろ姿を静かに見送った -
浄化の雨

初不動の日
大阿闍梨様が来られる直前
晴れていた空が急に曇って
パラっと雨
そして
ご祈祷が始まると晴れた
京都ではこういう
「出来すぎた瞬間」
に時々出会う
浄化の雨
という言葉がしっくりきた -
月

言葉にならなかったものを
月がそっと受け取った -
壁画

忘れられない壁があった
時間が経って今日
久しぶりに会いに行ったのに
そこにはもう
何もなかった
場所を勘違いしたのかと
あたりを歩き回ってみても
気配さえ見つからない
きっと静かに
消えていったのだろう
誰にも告げずに
だからこそ
あの日の壁は
ますます純粋なまま
心に残っている -
Tokyo

