• 採集語録053「変位への快楽」


    「変位への快楽」

    自分の想定した位置から
    少しずらされることを楽しむ性質。

    見方、関係、感情、役割、価値観、目的が
    予定どおりに固定されず、
    別の位置へ移るときに快楽が生じる。


    〈観察メモ〉
    「ずらされると笑う」
    「境界越えに惹かれる」
    「恋愛観を崩されて惹かれる」
    などに現れる。

  • uta-0148

    落とされた
    言の葉拾い
    たどっては
    ポッケにつめて
    ぱんぱんになる


  • 採集語録052「ひとり連歌」

    「ひとり連歌」

    一人でいるのに、言葉や発想が往復し、
    ひとつが次を呼んで連なっていく状態。

    ひとつの出来事・言葉・感情を起点に、
    それが次の言葉を呼び、
    ひとりでに連なっていく創作形式。


    〈観察メモ〉
    一個拾ったら、次の一個が呼ばれる。
    「採集語録」そのものが連歌している。


    関連用語:calling me 現象
         歩いていたら構想が生えてきた方式

  • 採集語録051「逆行三原則」

    「逆行三原則」

    一、映え逆行

    映えるものを追わず、
映えないものに立ち止まる。

    二、タイパ逆行
    
効率を求めない。
一見無駄に見えること、
      時間をかける経験は、身体に蓄積する。

    三、行水逆行
    カラスよりカピパラ。
    シャワーですまさず、じっくり長湯してととのえる。
      


  • 採集語録050「照応大神」

    「照応大神」

    御祭神:照応大神(しょうおうのおおかみ)

    御神徳:離れたものを照らし合わせ
        関係を顕し
        後から意味を結び直す

    御神託:急いで結びつけるな
        時が来れば
        互いが互いを照らし出す

    祝詞:照らせ給え、響かせ給え、
       結び給え、顕し給え


    〈観察メモ〉
    照応とは、何かと何かを
    無理に結びつけることではなく、
    離れて存在していたものが、
    ある時ふと互いを照らし、
    そこにあった関係が
    後から見えてくることである。

    先に概念があり、
    後から実例がやってくることもある。
    先に実例があり、
    後から概念が生まれることもある。

    概念と実例、過去と現在。
    標本室では、写真と言葉。

    離れていたものが出会い、
    互いの意味を照らし合ったとき、
    「そういうことだったのか」と
    初めてわかる。

    説明するのではなく、
    照応させる。

    意味を与えるのではなく、
    意味が立ち上がる余地を残す。





  • 採集語録049「境界大神」

    「境界大神」

    御祭神:境界大神(きょうかいのおおかみ)

    御神徳:境界に立たせ
        異なるものを往復させ
        見過ごされるものに
        別の層を出現させる

    御神託:越えてよし
        戻ってよし
        境目に立てば
        両方が見えてくる

    祝詞:越え給え、揺らぎ給え、
       往き来し給え、境を開き給え


    〈観察メモ〉
    境界とは、こちらとあちらを
    きっぱり分ける線ではないく、
    その両方が同時に見える場所である。

    聖と俗
    静と動
    粋と野暮
    幽界と顕界

    その境界に立つと、
    どちらか一方では見えなかったものが
    ふと見えてくる。

    境界大神は、
    境界を消す神ではない。
    境界を揺らし、
    そのあいだを往復させ、
    そこにしか見えないものを
    顕す神である。

  • uta-0147

    デリケートな
    毛並み撫でつつ
    怪獣を
    起こさぬように
    揺らさぬように


  • uta-0146

    ゆきゆきて
    落としたこころ
    そのままに
    足音遠く
    雨上がりの夜