
境界に
戻される直前
追伸一枚
意味を尋ねに
帰りたい


境界に
戻される直前
追伸一枚
意味を尋ねに
帰りたい

「トマソン地雷」
普段は存在を忘れている無用の長物と化した地雷。
地雷は、
踏んだ人も、
踏まれた本人も、
驚くような場所に
ひっそり埋まっていることがある。
しかし、一度踏まれると、
自分でも驚くほど大きな音を立てる。
〈観察メモ〉
地雷は怒りではない。
地雷は、
普段はトマソンの顔をしている。
触れられなければ、
何の役にも立たず、
何も起こさず、
ただ静かに存在している。
爆発したあと、
土を掘り返して初めて、
そこが「意味のある場所」だったと分かる。

野犬から
届きしカケラ
拾ってみれば
ただ繊細な
月のカケラ

夢のきみ
いつもと違う
君は少し
声も姿も
冬の色して

「領域展開〈あわい〉」
顕界と幽界、
此岸と彼岸、
現実と夢の境目に
ひらかれる領域。
術式は、如実観察。
必中効果は、境界採集。
〈観察メモ〉
領域内では、
ものごとの境界がよく見える。
近いけれど、遠い。
わかるけれど、納得できない。
現実だけれど、どこか夢のよう。
副作用として、
ときどき短歌が産まれる。

グレーかと
思いて覗く
その先に
色とりどりの
世界ひらける

逆立った
毛皮まといて
現れし
怒りの獣の
中身は誰

知らぬうち
地雷原に
踏み入られ
見るも無惨な
戦場の跡