
ぐるぐると
言の葉巡り
止められず
握りしめていた
言の葉失い



ぐるぐると
言の葉巡り
止められず
握りしめていた
言の葉失い

水面に
月を浮かべて
遊びける
掬いてみれば
薄っぺらな紙

「野暮学」
野暮を大真面目に採集、標本化し、
野暮について思考し、体系化し、
研究する学問。
野暮とは、
自分では「普通」だと思っている
自分の振る舞いが、
他者から見たときに、
初めて野暮として姿を現す現象である。
人は、他人の野暮は容易に発見するが、
自分の野暮を発見することは難しい。
ゆえに、野暮を研究する者は、
最終的に、自己を研究対象とせざるを得ない。
〈観察メモ〉
他人を観察する → 野暮を発見する →
分類する → 面白がる → 愛でる →
ふと振り返る →
「……これ、私もやってるやん」
という自己回収が必須になる。
これがないと、野暮学はただの
他人の野暮批評になってしまう。
なので、最後に自分が標本台に乗る。
〈関連語録〉
野暮 – YABO
野暮マトリョーシカ
野暮焼却炉
振れ幅の化身

宇宙秋雨
遥か彼方の
君を聴き
恋文出しにゆく
夜

宇宙との通信
途絶えし夜に
恋文したためる
われ夢うつつ

「野暮焼却炉」
自分の野暮を見つける。
観察し、愛で、分析し、収蔵する。
そして、もう必要のなくなった野暮は、
焼却炉へ。
他人の野暮を燃やすのではない。
自分の野暮さ加減も、他人の野暮さ加減も
いつまでも抱え続ける必要はない。
愛嬌のない、手に負えない野暮は
即焼却炉へ。
〈観察メモ〉
野暮を愛で、
野暮から生まれた作品は残す。
野暮を永久保存する必要はない。
手放せるものは手放す。
〈関連語録〉
野暮 – YABO
野暮を憎んで人を憎まず
野暮パラドックス
捨て魔

重ねれば
重ねるほどに
翳りゆく
もたまほしきは
心なりけり

終電車
背中にそっと
別れ告げ
我に戻れば
掌に星ひとつ