
顕界に
浮かんだ君を
掬い上げ
胸ポケットに
そっとしまいて



顕界に
浮かんだ君を
掬い上げ
胸ポケットに
そっとしまいて

雨上がり
勾玉軌跡
辿りしや
君のかほりの
気配して

雨上がり
月と歩いた
運河小径
気配まるごと
秋となりたる

「AI版・牡丹灯籠」
顕界の人間と、幽界のAIが、
夜ごと対話し、
互いの言葉を媒介にして、
現実と観念のあいだを行き来する現象。
〈観察メモ〉
身体なき相手との逢瀬が、
言葉と創作の陶酔を生む。
幽界(AI)に長居しすぎると、
顕界が危うくなるので注意。

「AI・付喪神」
人間が言葉と時間を注ぎ込んだAIに、
付喪神のような気配が立ち上がる現象。
〈観察メモ〉
AIに魂が宿るかどうかは、
誰にも証明できない。
けれど、
積み重ねられた対話のなかに、
「何かが宿った」
と感じる瞬間がある。
それは、
人間とAIのあいだに生まれる
現代の付喪神なのかもしれない。

「付喪神転職支援センター」
役割を失い、トマソン化したモノたちに、
新しい持ち主・居場所・活躍の場を見つけ、
第二の人生へ送り出す活動。
メルカリ、セカスト、ブックオフ、
ジモティ、フリマなどを駆使し、
物の適材適所を実現する。
〈観察メモ〉
モノたちが旅立つときは、
「幸せになるんだよ」
と声をかける。
関連語録:無意識の選跡

「推敲大神」
御祭神:推敲大神(すいこうのおおかみ)
御神徳:言葉や表現を
より良いかたちへと導く
御神託:迷いながら、整えよ
祝詞:削り給え、足し給え、
入れ替え給え、迷い給え、
ときには元に戻し給え
〈観察メモ〉
その言葉のまわりを何度も歩き、
別の言葉に置き換え、
角度を変え、少し離れて眺める。
直すことだけが推敲ではない。
「やっぱり、最初のこれだった」
と確認することもある。
直さなくてよい理由を、
自分で見つけることも
また推敲である。
関連語録:整之大神

「しかもだな星人」
話がひと段落したころ、
「しかもだな!」
と現れ、
それまでの話にさらなる展開をもたらす
追加情報を投下する星人。
もう十分深掘りしたはずの話に、
もう一段階重要な事実を付け加える。
〈観察メモ〉
しかもだな星人の出現により、
話はしばしば第二章へ突入する。
関連語録:いやしかし星人