
「聖地防衛本能」
自分にとって大切なものがある。
長い時間をかけて築いてきた価値観。
憧れ、誇り、こだわり。
簡単には踏み込ませたくない領域。
自分が守ってきたものを、
他者が軽々しく名乗る。
自分が守ってきた境界を、
他者があっさりと越えていく。
そのとき、心のどこかで何かが反応する。
「そんな簡単なものじゃない」
その思いは、ときに他者への批評や、
社会への苦言となって現れる。
その言葉の奥にあるのは、
純粋な美学なのか。
職業的な矜持なのか。
それとも、自分が大切にしてきた領域を
脅かされたように感じる気持ちなのか。
あるいは、そのすべてなのかもしれない。
聖地を守るつもりが、
いつの間にか聖地の境界線を
自分の外側にまで引き直している。
〈観察メモ〉
他者の言動を批評する文章には、
書き手が何を大切にし、
何を脅威と感じているのかが、
意図せず滲み出ることがある。
もちろん、外から見えるものだけで、
その人の内心を決めつけることはできない。
ただ、言葉が生み出した構造は、
書き手の意図を超えて、
観察の対象になりうる。
聖地を守る人と、
その防衛の様子を観察する人。
観察する人にも、
守っている聖地がある。
〈関連語録〉
野暮パラドックス
野暮ぉ節介
トマソン地雷
境界大神








