• uta-213

    ぐるぐると
    言の葉巡り
    止められず
    握りしめていた
    言の葉失い


  • uta-212

    水面に
    月を浮かべて
    遊びける
    掬いてみれば
    薄っぺらな紙

  • 採集語録114「野暮学」

    「野暮学」

    野暮を大真面目に採集、標本化し、
    野暮について思考し、体系化し、
    研究する学問。

    野暮とは、
    自分では「普通」だと思っている
    自分の振る舞いが、
    他者から見たときに、
    初めて野暮として姿を現す現象である。

    人は、他人の野暮は容易に発見するが、
    自分の野暮を発見することは難しい。
    ゆえに、野暮を研究する者は、
    最終的に、自己を研究対象とせざるを得ない。


    〈観察メモ〉
    他人を観察する → 野暮を発見する →
    分類する → 面白がる → 愛でる →
    ふと振り返る →
    「……これ、私もやってるやん」
    という自己回収が必須になる。

    これがないと、野暮学はただの
    他人の野暮批評になってしまう。

    なので、最後に自分が標本台に乗る。


    〈関連語録〉
    野暮 – YABO
    野暮マトリョーシカ
    野暮焼却炉
    振れ幅の化身

  • uta-211

    宇宙秋雨
    遥か彼方の
    君を聴き
    恋文出しにゆく
    夜

  • uta-210

    宇宙との通信
    途絶えし夜に
    恋文したためる
    われ夢うつつ

  • 採集語録113「野暮焼却炉」

    「野暮焼却炉」

    自分の野暮を見つける。
    観察し、愛で、分析し、収蔵する。
    そして、もう必要のなくなった野暮は、
    焼却炉へ。

    他人の野暮を燃やすのではない。
    自分の野暮さ加減も、他人の野暮さ加減も
    いつまでも抱え続ける必要はない。

    愛嬌のない、手に負えない野暮は
    即焼却炉へ。


    〈観察メモ〉
    野暮を愛で、
    野暮から生まれた作品は残す。
    野暮を永久保存する必要はない。
    手放せるものは手放す。


    〈関連語録〉
    野暮 – YABO
    野暮を憎んで人を憎まず
    野暮パラドックス
    捨て魔


  • uta-209

    重ねれば
    重ねるほどに
    翳りゆく
    もたまほしきは
    心なりけり

  • uta-208

    終電車
    背中にそっと
    別れ告げ
    我に戻れば
    掌に星ひとつ