
まぼろしと
思わば
するりと
消えてしまいそうな朝
受け取った鍵はいずこ


まぼろしと
思わば
するりと
消えてしまいそうな朝
受け取った鍵はいずこ

「決定的愛着」
何かに、「あぁ好きだなぁ」と
心に勝手に引っかかった瞬間を、
あとから何度でも撫でられるように
しておくこと。
決定的瞬間が
世界が差し出す一瞬を写すのだとしたら、
決定的愛着は
世界から受け取った時間を写す。
決定的愛着は、写真に限らない。

布団の中で
微睡んでいるうちに
蝉と雨が
入れ替わっていた

不自由な
心を解き放つ
歌声の源は
どこからくるのだろう

夜になっても
熱気が逃げない
京都の夏の夜は
若者しかいなかった

倍音に
包まれながら
崩れた浴衣で
コーヒー啜る
夏の朝

目の前の
公園はステージ
大合唱
夏は嫌でも
遅寝早起き

豊かで清らかな水が
なみなみと湧いている
そこへ惜しみなく注がれる様が
見ているだけで涼やか
ずっとここにいたい
と思った