浅草とスカイツリー。

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©SATOKO NOGUCHI

東京には悪いけど
東京は疲れるな

そう思いながらとぼとぼと
濡れた傘と重たい荷物を背負って
仲見世通りを歩いていると

屋根と屋根の間から見えた
濁った空に
スカイツリーがそびえ立っていた

それで少し元気の出た
自分が可笑しく思えて

にやっとした顔を
下へ向けたのだった

小さな宇宙。

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オープンしたての喫茶店のテーブルは
小さな宇宙

美しいレースに包まれた宝石が
喜びや憂いを秘めて
秋を纏っている

コーヒーを待つ間
そっと掌にのせて揺らしてみると
からからと乾いた音

遠く恋人からの手紙のように
心をキュンとさせた

勾玉お月さま。

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©SATOKO NOGUCHI

まるで命を宿しているような
黄金色の勾玉

それは当然のように
真っ黒な闇を纏っている

ご飯の仕度が終わり
もう一度見ようとベランダに出ると

白いお月さまが別人のような顔をして
そこにいた

キンモクセイの香りが
鼻をかすめていった