
突然の
境界線に
行き場なく
交響曲が
突然終わる


突然の
境界線に
行き場なく
交響曲が
突然終わる

「一夜漬け瓶」
ネガティブな感情や昂る想いなど、
そのまま一旦引き受け、
相手に直接伝えたり、
感情の赴くままにSNSに書いたりせず、
一晩預かる瓶。
朝になっても残っているものだけ掬い上げる。
夜の感情は、
醗酵し、
朝になると少し味が変わる。
〈観察メモ〉
・勢いで送りそうなLINE
・勢いで公開しそうなブログ
・勢いで辞めそうな仕事
・勢いで告白しそうな恋心
〈使用方法〉
① 瓶に感情を入れる
② 蓋を閉める
③ 寝る
感情は泡。
眠るとたいがい消える。
残っているのは、
案外、
ありがとうだったりする。

朝方の
夢のことばかり
考えている
露天風呂から
見上げる夕焼け

ラジオから
流れるリズム
身を委ね
そうかやっぱり
ボブマーリィ

「余白大神」
御祭神:余白大神(よはくのおおかみ)
御神徳:焦らぬ心・熟成促進・想像招来・回収補助
昼寝容認・寄り道保護
御神託:「空けよ。埋めるためではない。
世界が入ってくる余地を作るためである」
祓詞:「祓え給え、清め給え、
守らせ給え、幸え給え、
余白給え」
〈観察メモ〉
余白とは、何もないのではなく、
まだ名前のついていないものが
入ってこられる場所のことである。
焦って埋めず、答えを急がず、少し空けておくことで、
偶然や創作、思いがけない回収が起こる。

蒼い星
見つけた夜更け
届く声
窓の向こうの
秋声重なる

朝と夜
通信のみの
日々重ね
季節が先に
進んでしまう

「寄り道こみち」
花の香りに立ち止まり、
土地に吹く風に立ち止まり、
雨の街で人の会話に立ち止まる。
目的地へ向かう旅ではなく、
世界が向こうから話しかけてくる旅。
その度に足を止めることに意味がある。
〈観察メモ〉
寄り道とは、
道を外れることではない。
世界が気になって、
小道へ入ってしまう習性である。
感じるも、考えるも、寄り道こみち。
一直線に、効率よく目的地へ向かわないことを、
肯定する生き方である。