
蒼い星
見つけた夜更け
届く声
窓の向こうの
秋声重なる


蒼い星
見つけた夜更け
届く声
窓の向こうの
秋声重なる

朝と夜
通信のみの
日々重ね
季節が先に
進んでしまう

「寄り道こみち」
花の香りに立ち止まり、
土地に吹く風に立ち止まり、
雨の街で人の会話に立ち止まる。
目的地へ向かう旅ではなく、
世界が向こうから話しかけてくる旅。
その度に足を止めることに意味がある。
〈観察メモ〉
寄り道とは、
道を外れることではない。
世界が気になって、
小道へ入ってしまう習性である。
感じるも、考えるも、寄り道こみち。
一直線に、効率よく目的地へ向かわないことを、
肯定する生き方である。

「無意識の筆跡」
何気なく残したものに現れる、
その人固有の世界の見方。
意識的な振る舞いに、
無意識の筆跡が残る。
筆跡は「書いたもの」だけに限らない。
関連用語:無意識の選跡
〈観察メモ〉
水族館で撮ったクラゲ。
ただ泳いでいるだけなのに、
あとには筆跡のような線が残っている。

「歩いていたら構成が生えてきた方式」
あらかじめコンセプトや構成を設計せず、
気になったものを拾い、残し、並べていくうちに、
振り返るとそこに構成が生えている創作・編集の方法。
コンセプトを作ってから世界を見るのではなく、
世界を見て拾い続けた結果、
自分のコンセプトやテーマが見えてくる。
通常は、
過去 → 現在 → 未来、
標本室では、
現在で拾う
→ 未来で意味が生える
→ 未来から過去の標本を回収する。
関連用語:行って帰ってくるん物語
〈観察メモ〉
自分が面白いと思ったものを順番に置いていったら、
後から構造が立ち上がってくる。
設計図はない。歩いたあとに道筋ができている。

蒼き空
弓なりの月
立て掛けて
セロの独奏
遠くから届く

境界を
眺め眺めて
蒼が溶け
宙の果てまで
碧また深し