写真と言葉 アーカイブ
2012–2020
現在の展示以前の写真と言葉を収蔵しています。
- 雪が降った日の朝の葛藤

目が覚めたときには
日もだいぶ上がっており
これから準備して
出かけたところで
こんな程度の雪なら
解けてしまうさと
震えながら
コーヒーを淹れた
ゆっくり熱いコーヒーを
口に含むと
にわかに
行け!
と啓示があった
それで今わたしは
高台から雪の京都を
見下ろそうとしている - 夏の終わり

どんなに暑くても
コーヒーはホット
と決めている
なんて強がりなことを言う
その必要も無くなった
消えゆく蝉の声に
耳を澄ませて
口に含んだコーヒーは
まだ夏の味がした・
- ロゼに染まる

蝉の合唱が終わってしまったので
窓を閉めようとベランダまでいくと
美しく染まった雲と
煌々と輝くお月さま
しばらく立ち尽くす
眺めているうちに
辛口のロゼワインが欲しくなり財布とエコバッグをもって
酒屋へと出かけた・
- コロナの春

この八重桜をもって
私の春は終わりを告げた
コロナ
コロナ
コロナ
会いたかった人には会えず
行きたかった場所は閉ざされ
季節だけが律儀に巡ってきた
わたしは
川の流れに浮かぶ八重桜のように
行き先も決められないまま
ただ揺れていた - 捕ま〜えた

思い返せば
写真を始めるずっと前の
子どもの頃からこうやって
一人遊びをしていた気がする
習い事の帰り道
遊びに行った帰り道
夜に向かう空を見上げ
お月さまを見つけては
捕ま〜えた
ってね
