© SATOKO NOGUCHI
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地を割る重機の轟音に
世界が壊されていると感じる朝
内側に耳を澄ませば
優雅なメロディが流れている
心の平安は
誰にも侵されるべきではない
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地を割る重機の轟音に
世界が壊されていると感じる朝
内側に耳を澄ませば
優雅なメロディが流れている
心の平安は
誰にも侵されるべきではない
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気配に誘われて
垣根の隙間を覗くと
精霊たちが
愉しそうに漂っている
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太陽の力強い光
冷たく引き締まる空気が
そこには必要なようだ
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美しい光景を見せてくれたことに
ありがとうと告げると
精霊はウインクして
瞬く間に消えてしまった
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足取り軽く
境内へ
そこは楽園
そこかしこから聴こえてくる
梅のハミングが
清らかで可愛いの
合わせて
スキップしたら
わたしもハミングしていたわ
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朝の日課も
今シーズンはそろそろ終わりかしらと
布を持つ手を止めて
ガラス窓の水滴を
じっくり眺めてみると
そこには
ちゃ〜んと世界が存在していた
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結露よさようなら
また来シーズンね
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潮を含んだ風の音
雪をはらんだ風の音
岩にぶつかる風の音
その音は
近くで遠くで
鳴っている
受け取る耳が冷たく凍り
より鋭利に響いた
・
キンキンに冷え込んだ朝には
氷の精が
ダンスする
万華鏡のように
キラキラと光りながら
上ったり下ったりが
嫌だったり愉しかったり
・
雪が降ったり止んだりが
悲しかったり嬉しかったり
・
嫌だったり悲しかったりが
愉しかったり嬉しかったり
・
小樽とはそういう街だ