©️ SATOKO NOGUCHI
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どんなに暑くても
コーヒーはホット
と決めている
なんて強がりなことを言う
その必要も無くなった
消えゆく蝉の声に
耳を澄ませて
口に含んだコーヒーは
まだ夏の味がした
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どんなに暑くても
コーヒーはホット
と決めている
なんて強がりなことを言う
その必要も無くなった
消えゆく蝉の声に
耳を澄ませて
口に含んだコーヒーは
まだ夏の味がした
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しあわせが
喉を通る
桃バイツェン
箕面ビール
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夢の中をひたすら歩いた
何か大切なものを探して
見つかったのか
見つからなかったのか
目覚めてしまった私は思う
それは何だったのだろう
夢も現実も
儚いものだ
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闇の中から
漆黒の毛をはためかせ
聖と俗のはざまを
激しく揺らし
獅子は舞う
生を歓喜し
力の限りを尽くして
その舞は神の御前で
クライマックスへと導びかれる
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北国の季節限定barでは
濃厚な蜜をストレートで
たっぷりと
「うんまいうんまい」
人間の存在も
カメラのシャッター音も
気にならないほど
夢中にさせる味らしい
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© SATOKO NOGUHCI
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停電の夜の星空は
それはそれは美しかった
窓から天の川まで見えたんだから
見えないから気がつかなかったけど
お星さまはいつも
見守ってくれていたんだね
北の大地が大きく揺さぶられた翌日
実家の母から届いたメッセージには
こんなことが綴られていた
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北海道の皆様には
安全で安心な暮らしが早く戻ることを
お祈りしております
どうか冬が来る前に
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心躍らせ
足取り軽く
河川敷を上りきると
目の前に大きな舞台が広がった
しっとりした草むらに腰を下ろしたら
さぁ
はじまりはじまり
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