夏の朝。

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©️ SATOKO NOGUCHI

夜明け前
残酷な夢から
半ば強制的に戻ってきた

シャワーを浴びて
涼しいうちにお参りへ

境内に入る頃には
すっかり辺りは明るくなり

槐の木がふうわりと
白い小さな花を咲かせていた

わたしはやっと安堵して
帰ったらもう一度
ベッドに入ろうと心に決めた

共演。

 

DSCF2581.jpg©️ SATOKO NOGUCHI

薄闇に大の字が灯ると
お月さまが
するりと肌を現した

うしろでは
ヨーヨー・マのチェロの音色が
ほのかに響いている

わたしの頬を撫でた
湿った風の袂には
秋の匂いが忍ばされていた

共鳴と静穏。

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©️ SATOKO NOGUCHI

蝉の合唱が
ダイナミックに共鳴する

山の中
突如ある空間に押し出された

そこだけはまるで異世界のように
静かで微細な空気に包まれている

堪らずその両足に触れると
ふっくらとした静穏が
優しく心を満たした

雨上がりの宵山。

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©️ SATOKO NOGUCHI

色々をため込んだ雨雲には
カミナリ様がおられたらしい

夕方には大きく暴れて
一気に街ごと浄化された

ひとときの静けさが
通り抜けたのちは

コンチキチンも
雑踏の賑わいも

軽妙に溶け合い
黒い夜空に消えてゆく

 

 

どこまでも幸せの香り。

 

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©️  SATOKO NOGUCHI

いつものヘアサロンのお向かいは
昔ながらの和菓子屋さん

予約時間が迫っているのに
「桜もち」の張り紙に目を奪われ
足はくるっとそちらを向いた

店内は桜の香りに満ちていて
それだけで幸せとなった

帰ってからそっと包みを開くと

可憐な香りとともに
しっとりとした桜もち

目を閉じて口に含む
広がってゆく世界

指に残った香りを聴きながら

今日もどこかで咲き始めた
ソメイヨシノに想いを馳せた