©️ SATOKO NOGUCHI
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赤ん坊の握った手のように
繊細さを秘めた強さ
そっと手に包んでみると
宇宙の鼓動が聴こえてきた
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赤ん坊の握った手のように
繊細さを秘めた強さ
そっと手に包んでみると
宇宙の鼓動が聴こえてきた
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昨夜見えた月は
銀色に輝いていた
とあるジントニックに
夢中になった夜で
口に含むと
夏に嗅いだエキゾチックな香りや
北国の雪の下から感じる土の匂いを
想い起こさせ
こころを麻痺させた
月が照らす夜道を
歩いて帰った
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闇の中から
漆黒の毛をはためかせ
聖と俗のはざまを
激しく揺らし
獅子は舞う
生を歓喜し
力の限りを尽くして
その舞は神の御前で
クライマックスへと導びかれる
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冷んやりとした風が
朝の散歩道を通り抜けて行く
風は金木犀の香りを纏っている
その繊細な網で
絡め取ることができるのなら
もう少しのあいだ
儚き夢を楽しませてほしい
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