©SATOKO NOGUCHI
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潮を含んだ風の音
雪をはらんだ風の音
岩にぶつかる風の音
その音は
近くで遠くで
鳴っている
受け取る耳が冷たく凍り
より鋭利に響いた
・
・
潮を含んだ風の音
雪をはらんだ風の音
岩にぶつかる風の音
その音は
近くで遠くで
鳴っている
受け取る耳が冷たく凍り
より鋭利に響いた
・
キンキンに冷え込んだ朝には
氷の精が
ダンスする
万華鏡のように
キラキラと光りながら
上ったり下ったりが
嫌だったり愉しかったり
・
雪が降ったり止んだりが
悲しかったり嬉しかったり
・
嫌だったり悲しかったりが
愉しかったり嬉しかったり
・
小樽とはそういう街だ
・
朝日を浴びた
その小さな氷の湖には
靴の跡や
車輪の跡が
刻まれている
・
午後には溶けてなくなるだろう
束の間の記憶
・
鬼さん鬼さん
あなたが必要な時がある
出て行ってもまた
こっそり静かに戻ってきて
わたしのうちに棲んでいて
・
エナジーを
一粒とって放り込む
キラキラひかる
赤の宝石
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