季節を知らせに。

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©SATOKO NOGUCHI

 

ラジオから流れてくるギターの音色に
ぼんやりと耳を傾けながら

今朝淹れたコーヒーがなぜ不味くなったのか
思いあぐねていると

小さな裸ん坊の王子さまが
作り付けの田んぼにピョンとやってきた

なるほど
季節が変わっていたのか

王子さまはわたしを一瞥すると
すぐに飛んでいなくなってしまった

雨上がりの朝に。

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©SATOKO NOGUCHI

 

雨上がりの朝
境内は清浄な気に満ちている

すべてが宙を仰いでいるようで
わたしもつられて大きく上を向く

夜更けに少しふっくらした赤い実が
初めて履いたトゥシューズのように
少し恥ずかしげに揺れていた

雷に神をみる。

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©SATOKO NOGUCHI

奇しくも
北野天満宮で雷除大祭が行われた夜

部屋でパソコンに向かっていると
急に空気が重たく変わり
これは来るな
と解った

雷は何度も何度も鳴り響き
光る度に何かがフラッシュバックする
それが何であるのかはわからない

その後ベッドに入ると
変な夢を繰り返し見た