©SATOKO NOGUCHI
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ファインダー越しに
可愛いピンクが
水色の空に漂う姿を
眺めていると
耳の奥では
ジョンレノンが歌い出す
Nothing is real and nothing to get hung about
Strawberry Fields Forever
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ファインダー越しに
可愛いピンクが
水色の空に漂う姿を
眺めていると
耳の奥では
ジョンレノンが歌い出す
Nothing is real and nothing to get hung about
Strawberry Fields Forever
・
月はお山の裾野から上がり
辺りを照らし始めた
私はといえば
いてもたってもいられなくて
見ているか
そうでなければ
見ないようにするしかなかった
春の満月は
心をたいそう騒つかせる
・
大文字山とお月さま
初めて会ったのに
やっと会えた気がして
上がった息を整えながら
そっと近づいた
まるでそこに設えた彫刻のように
微動だにせず留まっている
その優美な姿に見惚れながら
私は話しかけた
「鷹さん、どうしてそこに?」
「善女龍王さまに世間の話をしにきたのさ」
鷹と善女龍王は相性がいいらしい
神泉苑にて
今朝は鶯の鳴き声で目がさめた
きっと隣の林から聞こえてきたのだろう
そうか、あそこには鶯がいたのか…
初めて春を迎える部屋で思う
辿々しい声が愛らしい
ぬるくなった湯たんぽを抱きしめながら
その鶯を抱いている気分になった
鶯よ明日も声を聞かせておくれ