©SATOKO NOGUCHI
比叡山
京の鬼門を鎮護しているという
その姿は堂々として厳か
京都に移り住んでこんなに降ったのは初めて
比叡山
京の鬼門を鎮護しているという
その姿は堂々として厳か
京都に移り住んでこんなに降ったのは初めて
空が白んできたような気がして目が覚めた
十分寝た気がしないからまだ真夜中なのかもしれない
温かい布団から這い出てカーテンを開けてみれば
明るいのは雪の白さなのだった
一度逡巡してから布団には戻らないことにした
しんしんと静かな世界に見入っていると
自分が息を殺していたことに気づく
雪には時間を狂わせる何かがあるのではと
ふと思った
まるでゆったりとした旋律のようだ
誰かが意図したかのような
いや違う
彼らが意図したのだ