©SATOKO NOGUCHI
日中のうだる暑さをひきづって
夜になっても温度は下がらず
寝苦しい
でもエアコンは苦手だから
意地でも付けたくない
窓を開ければ隣家の室外機が
ぶぅ〜ぶぅ〜と
うなり続け神経を逆なでする
なんども寝返りをうち
手に持ったうちわで
汗のじっとり滲み出た顔を扇ぐ
とうとう空が白んできた
寝ることを諦めて散歩することにした
こんなに早い時間に出かけるのは久しぶりだ
室内とは裏腹に
静かで爽やかな風が吹いている
その中に匂いを感じる
まだ先だと思っていた
次の季節の匂いを
嬉しくなって寂しくなった
ふと見上げると
鍾馗様が淡々とした表情で
わたしを見下ろしていた