夏の朝。

NOG_0124

©SATOKO NOGUCHI

日中のうだる暑さをひきづって
夜になっても温度は下がらず

寝苦しい
でもエアコンは苦手だから
意地でも付けたくない

窓を開ければ隣家の室外機が
ぶぅ〜ぶぅ〜と
うなり続け神経を逆なでする

なんども寝返りをうち
手に持ったうちわで
汗のじっとり滲み出た顔を扇ぐ

とうとう空が白んできた
寝ることを諦めて散歩することにした

こんなに早い時間に出かけるのは久しぶりだ
室内とは裏腹に
静かで爽やかな風が吹いている

その中に匂いを感じる

まだ先だと思っていた
次の季節の匂いを

嬉しくなって寂しくなった

ふと見上げると
鍾馗様が淡々とした表情で
わたしを見下ろしていた

お稚児さんと二日酔い。

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©SATOKO NOGUCHI

雨音で目が覚めた

二日酔いだし雨だし
祇園祭はもういいや

夢うつつに思った瞬間
誰かにほっぺを叩かれた気がして
飛び起きた

カメラと脚立を担いで御池通に向かうと
既に人垣が…

酒臭そうな汗を拭いながら
待つこと数十分

長刀鉾がゆっさゆっさと
鉾を揺らしながら
優雅に登場

そこで止まると
神々しいお稚児さんが
剛力さんの肩に乗って降りてきた

コンコンチキチンコンチキチン
今年もまたしばらくは
祇園囃子が耳から離れないだろう