©SATOKO NOGUHCHI
薄墨色の空の下
手すりに体を預け
蕩けるような水の動きを
適当に目で追っていると
心がほんの少し
海に落ちていきそうになっていた
すると軽やかなメロディが
背後から聴こえてきて
思わず振り返ると
えんじ色のコートを身に纏った
白髪の小柄な女性の鼻歌だった
妙に印象的なメロディと
足取りも軽やかな後ろ姿は
しばらくの間そこに余韻を残した
見上げれば
空が少し明るくなったように見えた
薄墨色の空の下
手すりに体を預け
蕩けるような水の動きを
適当に目で追っていると
心がほんの少し
海に落ちていきそうになっていた
すると軽やかなメロディが
背後から聴こえてきて
思わず振り返ると
えんじ色のコートを身に纏った
白髪の小柄な女性の鼻歌だった
妙に印象的なメロディと
足取りも軽やかな後ろ姿は
しばらくの間そこに余韻を残した
見上げれば
空が少し明るくなったように見えた