©SATOKO NOGUCHI
季節の変わり目
すっかり体調を崩し
家に籠っていたところから
一日半ぶりに外に出て
霧雨の中を歩いた
いつもの散歩道をゆっくり散策していると
どこからともなくあの懐かしい香りが…
すっかり弱りきった私の嗅覚は
ブランデーの鼻をつく匂いも
シナモンの芳ばしさも
全く感受できなかったのに
・
辺りを念入りに見回すも
香りの主はなかなか見つからず
今年もまたからかわれている気分になり
もういいやと諦めて
ふと見上げると
そこに金木犀のベビィを見つけた
そのベビィが微笑んでいるように見えたのは
恐らく私だけでありましょう