©SATOKO NOGUCHI
最後の一本に火をつけて
夏を振り返ろうとしたが
夏は
「まだ終わってないよ」
と赤ん坊の寝息のような
風を吹かせて
最後の一粒をぎりぎり
落とさないでくれた
小さな火の玉がしぼんで
闇に溶けていくのを
息を潜めて見送る
線香花火の残り香で
余韻を楽しんだ
九月の花火はやっぱりどこか
センチメンタル
最後の一本に火をつけて
夏を振り返ろうとしたが
夏は
「まだ終わってないよ」
と赤ん坊の寝息のような
風を吹かせて
最後の一粒をぎりぎり
落とさないでくれた
小さな火の玉がしぼんで
闇に溶けていくのを
息を潜めて見送る
線香花火の残り香で
余韻を楽しんだ
九月の花火はやっぱりどこか
センチメンタル