雨上がりの記憶。 ©SATOKO NOGUCHI 朝からたくさんの雨の落ちる音で目が覚める それは、淑やかになったかと思えば とんでもなく激しく逞しくなったりを繰り返し 私の神経をちょっとだけ逆撫でする もう少しだけ夢の中に浸っていたかったのに つかの間の雨上がり外に出た 水分をたっぷりと含んだ空気の中に どこからかあの匂いを感じとる 今年もまた鼻が先にこの空気に気がついて 夏の終わりが迫っていることを全身に知らせる 近所の散歩道にて
ゆらゆら浮かぶ。 ©SATOKO NOGUCHI 海とは逆の方向にどんどん川を遡り 集結していたカラフルな灯籠たちは 無事お役目を終えたのだろうか 食事を終えてほろ酔いで宿に戻った時には 街灯だけが薄く辺りを照らしていて ゆらゆらとした気配だけが後を引いていた 夏がいってしまった いつもこの日はちょっと寂しい 舞鶴の地蔵盆にて
おおふねほこ。 ©SATOKO NOGUCHI 色々ありまして… もう間に合わないかもと 半分諦め 半分期待しながら 地上に出ると なんという幸運でしょうか 大船鉾が悠々と烏丸通を 横切っていく姿を拝めました 暑い暑い暑〜い正午 祇園祭・後祭・山鉾巡行
寝たフリをする白いネコ。 ©SATOKO NOGUCHI 妙に艶かしい白猫は 少し薄汚れている すぅとお腹が膨れては 小さなため息のように 空気が出ていく 宮古島の午後は 日陰でも容赦ない暑さで 道行く人の姿はまばらだ 『100万回生きたねこ』を思い出す あの猫が愛したのは こんな白猫ではなかったか