©SATOKO NOGUCHI
印象深すぎる今日
こんなにしっとりと
涼しい日になるとは
たくさん濡れて
色っぽかったなぁ
雨は夜になっても降り続き…
今夜は雨音を聴きながら
神様に想いを巡らす
山鉾巡行の日
©SATOKO NOGUCHI
緊張と弛緩の波が
寄せては引いて
私は知らずのうちに微睡んでいた
車に打ちつける雨音が
突然激しくなったかと思うと
あっという間にコンクリートの上には
幾層にも水が重なってゆく
薄目をあけて夢の世界から
ぼんやり移り行く景色を眺めていると
重なりあった水に浸かりながら
若々しい足がこちらに向かってくる
私の頭は
“足も革靴も気の毒に”
とまた夢の世界に戻ろうとしたが
その情景が頭から離れず
まるで今の自分のようではないかと
突きつけられた気がした
しかし彼女は
自分が気の毒だなんてちっとも感じず
この状況を楽しんでいるのかもしれないではないか
どんな表情をしているのか
とても見てみたくなったが
後ろの席に座っている私に向かって
彼女が振り向くことは一度も無いまま
気がつけばバスの中に
彼女の姿は消えていたのだった
お山で瞑想
あんなに辛かったのに
また行きたい
と思っている自分に驚いている
もう一度行って確かめなくては