いつものように窓を開け
空を仰いだ後に下をむくと
私を見上げる目が
もしやあなたはあの時の…
やはりこの辺りの方だったのですね
寝坊した自分を少し恥じて
邪魔してすみませんと
顔を引っ込めて
レースのカーテンをひいた
いつものように窓を開け
空を仰いだ後に下をむくと
私を見上げる目が
もしやあなたはあの時の…
やはりこの辺りの方だったのですね
寝坊した自分を少し恥じて
邪魔してすみませんと
顔を引っ込めて
レースのカーテンをひいた
はっ
ほっ
足フェチだったんだ、わたし
思わずなでなで
そうだ石山寺行こう
と思いついたのは
のんびりと茹で上がったパスタに
トマトソースをかけている時だった
「今日しかないよ」と
どこからか言われているような気がして
慌ててお腹を満たすと
カメラをバッグに詰め込んで飛び出した
電車を乗り継ぎ到着したのは閉門1時間前
桜の時期だというのに
日が沈みかけているからなのか
境内に観光客の姿は殆どない
一箇所一箇所の仏様や神様へのお参りが
時間を理由に疎かになってることを
後ろめたく思いながら先を急いでいると
ミツバツツジが神々しく私の前に現れて
深呼吸するよう諭すのだった
そして最後に閉まりかけた戸の隙間から
本堂へ入れてもらいご本尊の如意輪観世音菩薩様を
拝ませていただいてお寺を後にした
あの声はどこからきたのか
©SATOKO NOGUCHI
鉦や太鼓をたたきながら踊る鬼さんたちの
サイヤ人のような毛が
飛び上がるたびに
ふんわりと宙に浮かぶ
新緑の季節に真っ紅な毛と衣装が印象的
印象的なのはビジュアルだけにとどまらず
独特なお囃子の音色は夜になって
ますます頭から離れず
今夜は鬼さんと共に夢でも聴けそうな予感
・
今宮神社でやすらい祭
小さな神社の草むらに
こちらを見据える目を見つけた
微動だにせず生きているのかもよくわからない
息づかいを聞かせておくれ
こちらの動きに動揺することもない
もう獣ですらなさそうなきみ